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JESAコラム 第78回


シェアリングエコノミーその2
シェアリングエコノミーの事例

元東海大学教授 片岡信弘

シェアリングエコノミーその1では、それの全体像について説明いたしました。 第2回では、シェアリングエコノミーの分類と事例について幾つか説明いたします。

  1. シェアリングエコノミーの分類

    シェアリングエコノミー協会では、シェアリングエコノミーを、 物のシェア、空間のシェア、移動のシェア、スキルのシェア、お金のシェアと分類しています。

    この分類に沿った事例を図1に示します。


    図1 シェアリングエコノミーの分類と事例

  2. 事例の説明
    1. 物のシェア

      いわゆるフリーマーケットでありネット上での不要品の売買や交換の仲介サービスを行なうものです。楽天が運営している楽天ラクマや、地元限定の不要品交換サービスのジモティ、子供服専用の交換サービスのMycle、スマホで写真を撮りこれのアップで即出品を特徴としているMercariなどがあります。

    2. 空間のシェア

      部屋のシェアとしては、会議室、パーティ会場、イベント、宿泊等のレンタルスペース仲介サービスであるSPACEMARKETや世界規模の民泊サービスであるAirbnbなどがあります。

      また、駐車スペースシェアとしては、自宅の駐車場を買い物客や行楽客に貸出仲介サービスである「軒先パーキング」などがあります。

    3. 移動のシェア

      乗車サービスシェアとしては、タクシーの配車と共に、自分の空き時間と自家用車を使って他人を運ぶことを仲介サービスであるUberや、遠隔地までの相乗りの仲介サービスであるNottecoなどがあります。

      一方、車そのもののシェア仲介サービスとしてCaFoReやAnycarなどがあります。

    4. スキルのシェア

      自分の何らかのスキルを提供することを仲介するサービスです。

      • Coconalaは、画像・デザイン、似顔絵・イラスト、音楽・ナレーション、文章・キャッチコピー作成や占いなどありとあらゆるスキルを仲介するサービスです。
      • AsMamaは子供の送迎、託児等の子育を近隣の人とシェアするサービスです。
      • Huberは訪日外国人向けガイド仲介サービスです。
      • Dogtfuggyは、旅行等で愛犬を他人預けることの依頼を仲介するサービスです。
      • nutteは、縫ってほしいアイテムの縫製職人への依頼を仲介するサービスです。
      • TABICAは、地域の暮らしを体験するツアーを仲介するサービスです。
      • タスカジは、家事代行を仲介するサービスです。
    5. お金のシェア

      これは、クラウドファンデングと呼ばれるもので、見返りなしの寄付型と、完了時に物品や何らかの権利がもらえる購入型の2種類のファンドが存在します。

      Makuakeは、新製品開発や映画制作などを支援する購入型のファンドです。

      Crowd Realtyは、京町家再生などの不動産に特化した購入型のファンドです。

      また、Readyforは、開発途上国支援のプロジェクト等の寄付型のものと購入型ファンドが存在します。

      以上


2018/5/28