JESAコラム 第80回
シェアリングエコノミーその3
シェアリングエコノミー認証制度
元東海大学教授 片岡信弘
シェアリングエコノミーその1では、その全体像について説明し、その2では分類と事例について説明しました。今回、その3では、シェアリングエコノミー認証制度について説明いたします。
- 認証制度の必要性
シェアリングエコノミーは、知らない人同士の取引です。仲介する業者は、この知らないもの同士の取引で問題が発生しないように手立てを講じる必要があります。そこでの必要事項は次のような項目です。
- 安全な取引ができる環境を作る
- 信頼とか信用のための情報を開示する仕組みを作る
- 取引するもの同士の責任を明確とする
- 持続的な取引ができる環境を作る
これらのことに仲介業者が対応しているかを第3者が評価する必要があります。これがシェアリングエコノミー認証制度です。
- 認証制度の概要
内閣官房IT総合戦略室がモデルガイドライン設定しています。これをベースにシェアリングエコノミー協会が仲介業者の守るべきルールとして詳細化しました。このルールが守られているかどうかどうかを審査委員がチェックリストにより確認し認証がされます。認証の手順は以下です。
- シェアリングエコノミー協会に対して各企業から申請を行い、協会の審査委員がチェックリストに基づき認証する。
- 認証を受けた仲介企業は認証マークをHPに掲載することができる。
これを図1に示します。また、認証マークを図2に示します。
現代、シェアリングエコノミー協会参加の多くの仲介業者が認証を取っています。
図1 認証の仕組み
図2 認証マーク
- 具体的な認証項目
認証時にチェックを行なう項目は100項目以上になります。主立った項目をリストアップすると次のようになります。
- 安全であること
- ・公序良俗違反行為,権利侵害の禁止
- ・子供対像のサービスでは保護者が提供者の信用の確認を可能とする
- ・虚偽や利用規約に反するものの削除
- 信頼・信用の見える化
- ・提供者本人確認,連絡手段の明確化
- ・利用規約の重要項目の別表示(多数の利用規約に埋没してしまわないよう別表示する)
- 責任分担(提供者と利用者)の明確化による価値共創
- ・利用者と提供者の連絡手段の提供
- ・相談窓口の設置
- 持続可能性の向上
- ・サービスの評価の仕組確保
- ・保険等の事故への備え
- ・情報セキュリテイの確保
- 安全であること
以上