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JESAコラム 第46回


地球温暖化とその対策

東京電機大学 西川尚男

日本各地で豪雨、川の氾濫等異常気象による災害が増大している。これは地球温暖化の1つの現れと考えられる。

図1は地球を取り巻く温暖化ガスによる、太陽光からの入射した太陽熱は直接大気へ放射されるため、 地球は氷点下18℃になるところ、この温暖化ガスがあることにより、世界の平均気温はこれまで約14℃に維持されてきた。
図1
図1 太陽光の入射・放射の関係

ところが第2次世界大戦以降急激に化石燃料の消費が増大したため、図2に示すようにCO2の排出量が急激に増大し、 結果として大気中に含まれるCO2ガス濃度もCO2排出量に比例して増大している。
図2
図2 CO2濃度と化石燃料からCO2排出量との関係

もともと地球には海洋、植物といったCO2ガスを吸収する能力が有るにもかかわらず、化石燃料の燃焼によるCO2排出量が増大しその吸収能力を超えてきたため、世界の気温変化は図3に示されるように、150年間、100年間、50年間、25年間の直線変化から、近年になるほど気温の上昇割合が大きくなっていることがわかる。その結果が、図4の山岳氷河の減少、図5の北極域の海氷面積の減少に表れている。
図3
図3 世界の気温の変化
図4
図4 山岳氷河の減少
図5
図5 北極域の海氷面積の推移

国連内にある国際エネルギー機関(IEA)が現状技術のまま推移した時のCO2排出量と対策を講じた時の推移を図6に紹介している。その結果、現状技術のままでは2050年時の排出量が620億トンになるところ、CO2排出抑制施策を積極的に進めていけば、140億トンまで抑制でき、その時の地球平均温度上昇は産業革命前と比べ2℃以内に収められると予測している。
図6
図6 世界のCO2排出量推移と削減施策

自然に満ちた住みよい地球を後世に引き継ぐために、英知を結集して地球温暖化対策を積極的に進めていく必要がある。


2016/12/19