JESAコラム 第6回
消防機関への届出手続
みなさん、こんにちは。
本日は、防災用自家発電設備を設置・使用するまでの、消防機関への一連の届出手続について紹介します。
消防法令では防火対象物の関係者に対し、次の届出手続を義務付けています。
設置に関する届出等
- 設備の設置届出
自家発電設備が消防用設備等の非常電源として設置される場合、消防機関への設置の届出は、設置される消防用設備等の届出の中で行われる。
設置に関する届出の種類としては、消防法令で定められた全国一律のものと、各地方自治体が条例で定めたものとがある。
【法令による届出】- 工事整備対象設備等着工届
消防用設備等の工事については、工事着手の10日前までに設備等の種類、 工事の場所その他必要な事項を消防機関に届け出なければならない。
工事の対象となる消防用設備等に自家発電設備等の非常電源が附置される場合は、 着工届出書に「関係設備共通の非常電源関係図書」を添付することが義務づけられている。注) 複数の着工届に添付される図書のうち、次に掲げるものは、1つの着工届に代表して添付することで、個々の消防用設備等の着工届出書への添付が省略できることとされている。
- 付近見取図
- 意匠図(建築平面図、断面図、立面図等)
- 関係設備共通の非常電源関係図書
- 防火対象物の概要図
- 消防用設備等(特殊消防用設備等)設置届
消防機関の検査を受けなければならない防火対象物に消防用設備等を設置した場合、 設置に係る工事が完了した日から4日以内にその旨を消防機関に届け出なければならない。
当該消防用設備等に非常電源として自家発電設備が設置されている場合は、 添付図書として消防用設備に関する図書の他に、「非常電源(自家発電設備)試験結果報告書」の提出が義務づけられている。
- 電気設備設置(変更)届
火を使用する設備又はその使用に際し、火災の発生のおそれのある設備のうち、 発電設備(常用、非常用とも)、蓄電池設備等の電気設備を設置しようとするときは、あらかじめその旨を消防機関に届け出なければならない。
- 工事整備対象設備等着工届
- 危険物に関する届出
自家発電設備は燃料として危険物(石油類)を使用することから、危険物に関する規制を受け、 その取扱量により次の認可申請又は届出が必要となる。
このうち、「危険物製造所・貯蔵所・取扱所設置許可申請書」は、 消防法で規定されており全国同一であるが、「少量危険物・指定可燃物の貯蔵・取扱届出書」は、 各地方自治体の火災予防条例で定められているため、自治体によっていくらかの相異がある。
- 危険物製造所・貯蔵所・取扱所設置許可申請書
取扱量が消防法に定める指定数量以上となる場合 - 少量危険物・指定可燃物の貯蔵・取扱届出書
取扱量が消防法に定める指定数量の1/5以上指定数量未満の場合
- 危険物製造所・貯蔵所・取扱所設置許可申請書
- 設置工事完了時の確認事項
自家発電設備の設置工事が完了した場合、防火対象物の関係者は当該自家発電設備が技術上の基準に従って設置されているか否かを確認することが必要である。
この確認のための試験については、消防用設備等及び非常電源のそれぞれの種類ごとに定められた試験基準に基づき行い、 自家発電設備については「非常電源(自家発電設備)試験基準」により行うこととされている。
また、この試験結果の報告は、消防用設備等及び非常電源のそれぞれの種類ごとに定められた報告書を用いて行い、 自家発電設備については「非常電源(自家発電設備)試験結果報告書」に試験結果を記載し、 上記1.ⅱの消防用設備等設置届に添付することで行うこととされている。
消防検査
自家発電設備の設置の届出が消防機関に行われると、設置された自家発電設備が技術上の基準に適合しているかどうかの消防検査が、 「非常電源(自家発電設備)試験基準」等に基づき行われる。
検査の結果、技術上の基準に適合していると認められれば、当該消防機関から消防用設備等検査済証が交付され、使用できることになる。
なお、自家発電設備を含め消防用設備等について、各設備の登録認定機関が設備等技術基準の一部に適合していることを認定し、当該技術基準に適合している旨の表示が付されているものについては、 消防機関による検査において、設備等技術基準の一部に適合するものと見なしても差し支えないこととされている。
このように、設置・使用するためにも届出や検査が必要となります。
皆さんの各種手続きに、この記事を役立てていただければ幸いです。