JESAコラム 第12回
小売電気事業者について
みなさん、遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
いよいよ四月から小売電気事業の自由化が始まりますね。 これまで電力会社の独占市場だった電力の売買に、一般企業などが参入できるようになるわけです。 そこで、小売電気事業者について、簡単に紹介してみましょう。
まず、小売電気事業者とは、従来の電力会社の他、あらゆる企業(又は個人・家庭)が、あらゆる企業(又は個人・家庭)に電力を販売・供給可能とするものです。 例えばこれにより、実質消費エネルギー0のビルなどの保有者は、さらに電力を確保することで、(供給が安定している限り)安定した収入源を確保できます。
CO2の削減による排出権の売買などもありますが、小売電気事業の方が利益になる実感を得やすいのではないでしょうか?(実際はともかくとして)
ここで考えられるのが、利用者側にとっては嬉しい「電気料金の値下げ」です。
政策で値下げが決まっているわけではありませんが、電力供給産業界が実質自由競争化するので、少なくとも現在よりも高額で安定する、ということにはならないでしょう。
供給側も多様なサービスを提案していくことが考えられますが、皆さんに気を付けてほしいのは、この制度を利用した新しい詐欺の発生です。
内容まで想像することはできませんが、利用する際には慎重な調査をお勧めします。
この記事で簡単に触れておきますと、
- 小売電気事業者とは、小売電気事業を営むことについて、経済産業大臣の登録を受けたもの
- 経済産業大臣は、登録された小売電気事業者を小売電気事業者登録簿に登録する義務がある。
- 経済産業大臣は、小売電気事業者を登録した時は、遅延なく、その旨を申請者に通知しなければならない。
このように決められているので、少なくとも相手側は登録されていることを証明できるはずです。
また、資源エネルギー庁のホームページに登録者一覧のページが存在していて、ここに登録番号や住所、代表者氏名、登録年月日等が載っているので、こちらで確認してみるのもいいでしょう。
詐欺の話などになってしまいましたが、みなさんに伝えたいのは、制度開始直後は、様々な面で大きな変動が頻発することが予想される、ということです。
利用者も供給者も、電力市場に踊らされず、しっかり自分の目で確かめることが重要です。