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JESAコラム 第82回


シェアリングエコノミーその4
シェアビジネス

元東海大学教授 片岡信弘

シェアリングエコノミー1,2,3では、シェアリングエコノミーの概要について説明しました. これは,場所・乗り物・モノ・人・お金などの遊休資産を対像にして、インターネット上のプラットフォームを利用し、 個人間で貸借や売買、交換を実施する新しい経済であることを説明しました。ここでキーとなるのは,「個人間」と「遊休資産」です。

その一方では,企業が資産を用意し,顧客に対して貸し出すシェアビジネスが増加しています.今回はこのシェアビジネスについて説明します.

  1. シェアビジネスとは

    企業がシェアする資産を用意し顧客に貸し出すものです。このようなビジネスは、企業向けにはレンタルサービスとして古くから存在しました。これには、コンピュータ、建物、機械、建築機械、船、トラック、バス、乗用車など多種多様なものが存在します。これらは、特定の相手に対してかなりの期間貸し出すというスタイルが一般的です。

    これに対して、シェアビジネスは、個人が対象であること、短期間であることが特徴です。これも、レンタカーとしては従来から存在しますが、最近の動向としては、洋服やバッグ、自転車などに広がって来ています。

  2. シェアビジネスの事例

    表1にシェアビジネスの事例を示します。

    表1 シェアビジネス事例
    種別 事例
    女性用洋服・バッグシェア業 airCloset,EDIST.CLOSET, Rcawaii, SUSTINA, MechakariL, Brista, MYLISH
    自転車シェア業 Cogoo, COGICOGI
    乗用車シェア業
    (レンタカー業)
    Careco, EveryGO, オリックスカーシェア等多数
    1. 女性用洋服、バッグのシェア業は、定額性で、毎月ある枚数の洋服やバッグが借りれるサービスであり多数の業者が存在します。 従来の洋服のレンタルとの相違は、定額性であり、一ヶ月の内に取っ替え引っ替え何度でも借り出せる点です。男性用も存在しますが、 一点毎のレンタルの形式が多いようです。
    2. 自転車のシェア業は、業者が自転車を用意し会員に貸し出すものです。 元々、観光地などで、行なわれていたビジネスですが、 これが都会などでも行なわれるようになりました。都内でもエコな社会の促進のため、 区役所などと協業のもとでいくつかのサービスが展開されています。
    3. 乗用車のシェア業(レンタカー業)は古くから行なわれていたビジネスです。 最近は、高級外車などを対象としたビジネスも展開されています。
  3. シェアビジネスとシェアリングエコノミーとの相互移行

    シェアビジネスがシェアリングエコノミーに発展した事例や、逆の事例が存在しお互いに成長を加速しています。 シェアリングエコノミーはCtoC(個人と個人)のビジネスであり、 シェアビジネスはBtoC(企業と個人)のビジネスです。つまりCtoCのビジネスで企業がビジネスのチャンスありと見たものは、 企業の参画によりBtoCのビジネスに変革します。また、BtoCのビジネスで個人も参画の可能性ありと見たものが、 個人の参画によりCtoCになるということです。これの事例を表2に示しますが、 今後さらに多数のものの相互移行が発生すると考えられます。

    表2 シェアビジネスとシェアリングエコノミーの相互移行
    シェアリングエコノミー
    (C to C)
    変遷方向 シェアビジネス
    (B to C)
    Airbnb等の民泊 企業による民泊業
    乗用車シェアリング 乗用車シェア業
    (レンタカー業)
    女性用洋服・バッグシェアリング 女性用洋服・バッグシェア業
    1. 民泊のシェアビジネス化 : 民泊は元々個人が空き部屋などを旅行者に貸し出していたものですが、企業が宿泊施設を用意し民泊事業に参画するものです。
    2. 乗用車シェア業のシェアリングエコノミー化 : 乗用車シェア業を参考に個人が空いている自分の車を他人に貸し出すものです。
    3. バッグシェア業のシェアリングエコノミー化 : バッグを多数もっている人がシェア業者を通じて自分のバッグを貸し出すものです。

以上

参考URL
http://アールカワイイ.com/%E6%AF%94%E8%BC%83/


2018/9/7