JESAコラム 第51回
スマートハウスとは
元東海大学 片岡信弘
スマートハウスは、IOTを利用して家庭内のエネルキー消費が最適となるように制御された住宅です。 以前に比較して産業部門でのエネルギー消費は減少傾向にあるのに対し、 家庭でのエネルギー消費は家電の普及などにより大きく伸びていることが背景にあります。 これは、住宅機器、家電製品などを適切に制御し、エネルギーマネジメントを効果的に行うことにより、CO2排出量の削減を実現するものです。
これの中核となるものが、HEMS(Home Energy Management System)と住宅用蓄電池です。HEMSは、住宅内の機器をネットワーク化し、エネルギー使用を管理・最適化するもので、使用電力の監視機能と電気製品の制御機能により次のようなことを行います。
- エネルギーの「見える」化
- HEMSを設置することで、自宅の電力使用量をコンセント単位で把握することが可能になり、どの機器でどれくらい電力を利用しているかが一目でわかります。
- 待機電力レベルで消費電力が把握可能で、様々なムダが発見できます。
- 毎日や毎週の電力利用状況をグラフで見ることができ、節電節約のモチベーションになります。
- 機器の自動制御の設定
- ピーク時の使用最大電力量を一定限度以下に抑えることができます。
消費電力が急増した時に自動的にエアコンの出力を弱めたり、照明を暗くしたりします。 - 電気代が安い時間に自動運転することによる節電が可能です。
蓄電池への充電や電力使用量の大きなものの自動運転などです。
- ピーク時の使用最大電力量を一定限度以下に抑えることができます。
- 家電をインターネットに接続し遠隔制御や自動制御を可能にします。
- 外出先からの家電製品の遠隔操作などです。
※住宅用蓄電池
太陽光発電や燃料電池などで発電した電力、料金の安い夜間電力などを住宅用蓄電池に蓄えることで、住宅内の電力需要をうまく調整してエネルギーを効率的に使うことができます。
家庭内で利用している電化製品は、複数のメーカに跨ります。電化製品の電力使用量を測定するだけならともかく、 遠隔操作を行うためには統一の規格が必要です。この統一の規格は、「ECHONET Lite」と呼ばれ、エコーネットコンソーシアムで策定されました。 これは、国際規格である「ECHONET」をより使いやすいものにしたものです。 また、このコンソーシアムでは、この規格に合う製品を生産している企業の認定を行っています。
スマートハウスの概念図
参考資料
エコーネットコンソーシアムホームページ
https://echonet.jp/