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JESAコラム 第27回


北海道の再生可能エネルギー利用(3)

みなさん、こんにちは。今回も、北海道における再生可能エネルギーについての紹介になります。

西側の沿岸部に広がる風力発電に適した地域でも、水素を製造する実証プロジェクトが始まっています。日本海に面した苫前町(とままえちょう)は「風車の町」と呼ばれていて、町内には3つの風力発電所が運転中。 合わせて42基の風車で53MW(メガワット)の発電能力があります。

苫前町が運営する「苫前夕陽ヶ丘風力発電所」は3基の風車で最大2.2MWの電力を供給しています。その電力を使って水素を製造する計画です。 発電した電力を集約する変圧器に水電気分解装置を接続して、水からCO2フリーの水素を作る方法です。

豊田通商など6社が参加して、2015~2017年度の3年間で実証プロジェクトを実施します。

水を電気分解する装置のほかに、発生させた水素ガスを常温・常圧で液化する装置や燃料電池も併設して、水素の製造から運搬・利用まで一連の流れを実証する予定。 それぞれのコストを検証して事業性を評価したうえで、他の地域にも展開することを目指します。

再生可能エネルギーから水素を製造する取り組みはバイオマスと風力だけにとどまりません。3つ目の実証プロジェクトがダムの近くでも進んでいます。 東部の白糠町(しらぬかちょう)に道営の「庶路(しょろ)ダム」があります。洪水対策と工業用水を供給するために造られたダムですが、発電には使われていません。

庶路ダムに小水力発電の事業性があると判断した北海道庁は、地元の白糠町や釧路市、さらに東芝を加えて、2015~2019年度の5年計画で小水力発電所を建設します。 この発電所には苫前町のプロジェクトと同様に水電気分解装置を併設して、水素を製造できるようにする計画です。

発電能力は220kWを想定しています。1日あたり最大1000立方メートルの水素ガスを製造して、高圧の状態でトレーラーなどに積んで輸送します。 輸送先は道内の水素ステーションのほか、地域の酪農家や温水プールに設置した燃料電池に供給する予定。寒冷地の北海道では熱の需要が多い。 燃料電池で電力と温水の両方を供給して、CO2フリーのエネルギーの利用を拡大できるメリットは大きいのです。
手順

今回はここまでとなります。
25回から続いた北海道に関する記事も、次で最後となります。ご期待ください。

引用:http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1604/05/news023.html


2016/04/26