JESAコラム 第23回
水素エネルギー(2)
みなさん、こんにちは。今回は、前回紹介した水素エネルギーについて、さらに詳しく紹介していきたいと思います。
水素エネルギーですが、「人類究極のエネルギー」と呼ばれることもあります。これは、水素が地球上、さらには宇宙全体で豊富かつ普遍的に存在することからきています。 「単体の水素気体」としてみれば、大気中には1%程度しか含まれていないものの、現存するあらゆる有機物には水素原子が含まれており、 分解できればほぼ無限といっていいほど豊富な資源となりうるのです。
では、こんなにも豊富な水素をエネルギー利用するにあたって、単純な「量」以外ではどのようなメリットが存在するのでしょうか。
代表的なメリットとして、燃焼による環境への影響が非常に少ないことがあげられます。水素は燃焼によって二酸化炭素や一酸化炭素を生まず、水を発生させます。
それ以外にも、エネルギー変換効率の高さなどがあげられ、ここまで挙げただけでも十分に有用なエネルギーであると認識できることでしょう。
しかし、もちろん問題が無いわけではありません。
まず環境面ですが、燃焼によっては確かに二酸化炭素は発生しませんが、水素を得る為に化石燃料を反応させる際に二酸化炭素は生じてしまいます。
また、質量あたりのエネルギー量は同質量の化石燃料よりも多いですが、経済的な面からみると必ずしも得だとは言えません。
化石燃料から水素を得る場合、当然その化石燃料をそのまま使うよりもコストが発生してしまいます。
これらの問題に対する解答の一つとして、自然エネルギーを利用することがあげられます。
水素は、水などの電気分解によって、二酸化炭素を発生させずに生成することが可能ですが、その名の通り、この方法には電気が必要です。 その為の電気を、太陽光や風力を始めとした自然の再生可能エネルギーから獲得し、利用するのです。
完全にロスが無くなることは有りませんが、再生可能エネルギーを用いることで、問題の解決へと向かうことが出来ます。 水素という、原始でありながらも大きな可能性を秘めた燃料の研究は、今後、どのように発展していくのでしょうか。
次回は、水素エネルギーの実例をご紹介いたします。