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JESAコラム 第21回


バイオマス発電(2)

みなさんこんにちは。前回は、バイオマス発電の種類などについて紹介しました。今回は、バイオマス発電の利用について紹介していきたいと思います。

資源エネルギー庁の資料によると、バイオマス発電は平成26年2月時点で約242万kWの設備容量が認定されています。 ただし、現在のバイオマス発電所は、バイオマス燃料単体ではなく石炭等との混焼式の設備が多いため、バイオマス燃料のみでの発電量といえるのは 実際には設備容量の一部です。
平成25年度にバイオマス燃料によって発電された電力量は、約19億kWh。一般家庭約523,000世帯分の年間使用量を発電しています。

さて、このように広まってきているバイオマス発電ですが、前回紹介した通り、火力発電と似通った部分もあります。 では、バイオマス発電の利点とはなんでしょうか。

バイオマス発電は、カーボンニュートラルという考え方で、二酸化炭素を増加させずにエネルギーを作り出すことができるクリーンな発電方法です。 また、燃料としては廃棄されるものを利用していますので、廃棄物の残りからエネルギーを取り出して再利用することで無駄なくエネルギーを活用することができます。
例えば、地域のゴミ処理場のそばにバイオマス発電所を併設すれば、ゴミを地域のエネルギー源として有効活用することができます。

再生可能エネルギー同士で比較しても、太陽光や風力といった自然環境に左右される不安定な電源と違い、 燃料さえ確保することができれば安定した発電量が見込めるため、貴重な再生可能エネルギーの“ベース電源”として活用することもできると期待されています。
また、太陽光・風力・水力発電はどれも発電できる場所の条件が限られていますが、 バイオマス発電は、発電所自体の場所については地理的自由度が高い発電方法といえます。

ただし、ベース電源にするためには、安定的に燃料を確保することと、その保管場所等のスペースを確保することが課題になります。 バイオマス燃料の供給が不安定な場合は、石炭等の化石燃料と一緒に燃焼することで、発電を安定化させる「石炭・バイオマス混合燃焼」の手法をとる場合もあります。

バイオマス発電設備を設置するにあたって、例えばゴミを燃料にする場合であればゴミ処理場のそばに設置することで、 燃料の調達コストや輸送コストをなるべくかけずに発電を行うことができます。 同じように、木くずや間伐材であれば木材事業者が多く集まる地域に、輸入されてくる廃油であれば港に近い工業地帯に…といった具合で、 なるべく燃料調達地の近くに発電所を設置するのが理想です。

ただし、発電した電力は電力会社の系統に接続する必要があるため、単純に燃料調達地のそばであればよいというわけではなく、電力系統に接続しやすいことも考慮する必要があります。

バイオマス発電はエネルギーの地産地消に非常に効果が高い発電方法で、地域の活性化につなげることも可能です。また環境の面でも、過密になった森林から余分な木を間引くことで生じる間伐材を有効活用できるので、森林資源の適正な保護にもつながります。

様々な可能性を持つバイオマス発電は、今後の展開に大きな期待がもてますね。


2016/03/14