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JESAコラム 第52回


系統制約のない新たなFIT制度の可能性

太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーによる発電は、気象条件によって左右されるため発電量を人為的にコントロールすることの難しさが欠点だといわれている。現在、日本の再エネ導入状況は太陽光発電が飛び抜けて多くなっていることもあり、再エネ電源は出力が不安定な電源として扱われ、発電しても送電できない出力抑制がすっかり日常化するようになってきている。4月からは、系統に連系出来る太陽光発電を入札によって選別する改正FIT法の適用が開始される。
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これまで拡大一辺倒できた日本の再エネ政策は、必要な電源を選別していくという大きな転換点を迎えていると言えるが、1次エネルギーのほとんどを相変わらず海外に頼ってしまっているという日本のエネルギー事情を考えると、唯一の国産エネルギーともいえる再エネの拡大を図るためには、変節したFITに代わる新たな方策を考えてみてもいいのではないかと思う。

出力が不安定だという問題の多くは、太陽光や風力などの再エネ電力を、そのままの形で既存の電力ネットワークに受け入れてしまっていることにあるのだが、送電量をコントロールする蓄電池の併設や、電解水素による電力貯蔵などの方策は主にコスト的な視点から採用されることなく、出力の安定化よりも電源を切り捨てるという方向に進んでいるように見えるのは残念なことである。

しかしながら、系統に受け入れ困難になったというわけで、国内の再エネ発電のポテンシャルが失われたわけではない。発電した電力を無駄なく利用し尽くせる新たな方策を考えることが求められているといえる。

その可能性の一つの提案として、既存の電力系統に連携しない「逆FIT」ともいうべき再エネ電力の活用が考えられる。逆FITとはなにか。それは系統に繋がないで自営線等によって地産地消型の電力供給を行うというもので、そうした再エネ電源もFIT電源と同様に固定価格買取制度によって買い取るという考え方である。系統で運ばない再エネ電力も送電したと見なして通常の買い取り価格で買い取る制度にして、自家発や自営線で周辺に電気を配る小規模ネットワークなどを支援するのである。系統に負担をかけないために、ネットワークの中で需給バランスを取るために、地域に設置されている自家発電設備などを出力補完用の電力として活用するなどして地域内で電力需給が完結できるようにする。また、緊急時には、送電線を利用して電力を広域利用するようにすれば、電力の安定供給にも寄与できることになる。この補完電力として地域のバイオマス資源を活用して発電できれば、限りなくCO2フリーに近づく電力供給も可能になる。

系統制約から解放されるFIT制度の新たな方向性を示す一つの考え方と思うのだがどうだろう。

<高>


2017/03/27